猫屋敷に私が住むようになってかれこれ15年。
猫屋敷の主だった伯母の病気介護のため、大阪にシェフを残してこちらへ帰って来たのでした。
家を見ればどんな人が住んでいるのか分かる、としたら、この15年ですっかりジャングルのようになったこの家を見て、我ながら「ふーん、私ってこんなんなの?」と疑問と納得の入り交じった複雑な思いです。
要するに「故郷の廃家」というか、いや「廃屋」というか、住む人が絶えて、ただ木々ばかりが思いっきり生い茂り、建物を呑み込んでしまったような状態。
東南アジアのジャングルやアンコールワットに憧れていた私にとっては最高の家でした。
伯母は超暑がりだったのに鉄筋コンクリートの陸屋根の平屋の周りにはチョロチョロッとしか植木を植えず、朝日や西日が当たり放題の室内で、クーラー入れると節々が痛むと、汗だくで過ごしていました。
今や植木のウバメガシはドングリの降る密林になり、竹はタケノコが採れる程の竹林になり、屋上に登って枝を引っ張り上げたフジの木は数年で屋上を覆って涼しい日陰を作ってくれました。
阪大跡地から持って来たツタは玄関脇の壁を屋上まで這い上がりました。
玄関先には種を投げて置いたアボカドと勝手に生えたムクノキが緑のトンネルを造り、とってもお気に入りの景色でした。
雨に濡れると枝が重く垂れ下がり、通る時は頭を下げなくてはならず、それでも水滴でボトボト濡れるけどそんなの平気。
そんな宝物のような私の小さなジャングルが、一台のユンボによってたった2日で消滅。
その勢いで次にアルミの窓枠を外すと言われたのを必死で阻止、だってまだ現住建造物なのに~。
まるでまだ生きてるのに臓器を取り出そうって言わんばかり。
取り壊しは工事してくれる人の都合にも合わせないといけないので、とっってもしんどいです。
ユンボが動くと外に繋いでいるトッピーが大パニック、首輪をすり抜けて逃げてしまっては大変、他の猫たちも今までのように外へ出してやることもままならず、私一人が苦労しています。
猫屋敷の住民、黒猫姉さん、クロリー、ニコちゃん、クリちゃんの中で、賢い黒猫姉さんは自発的に隣の猫の館へ移動、夜はチビトラたちと一緒に中へ入れることに。
トムは昼間は母屋へ入り浸り、先住民のバニーちゃんが怖がって表へ避難。
猫たちもいよいよ引越の渦中に巻き込まれました。
人間も猫も全員揃って元気に移住しなければ。
引越完了は早くても半年から一年先のことです。
あー、気が遠くなる~。




