チブリが来たのは7/9、もらわれて行ったのは8/19、一緒にいたのは1ヶ月と10日ほどでしたが、しっかり情が移ってしまった...
暫くは日に何度もチブリ、チブリと呼んでみたり...
ここにいたら必ずご飯もらえるから、と言い含められ、玄関横の冷凍庫の上に座らせられて、そのまま何時間経ったのか、私が発見するまでじっと動かずにいた、状況判断力抜群のコ。
保護して数日は「誰かもらってくれないかなー」という気持ちがありましたが、すぐに目に入れても痛くない子供になってしまって。
以前、メリーちゃんという長毛の美猫をもらってくれた引越先のお隣さん、メリーちゃんが意外にも妊娠していて、5匹の仔猫を産み、うち2匹が売れ残っていたのですが、メリーちゃんとお姉ちゃんが行方不明になり、たった1匹になったのが寂しそうだから、仔猫の出物はないか?との連絡を頂いて、シェフが私に相談もなく「ちょうど可愛い盛りのがおりまっせ」なんて返事してしまったのです。
まあ、外ならぬメリーちゃんの娘のお友達に、ということならしかたなく、泣く泣く先ずはお試しのために18日にチブリを連れて行ったのです。
初めて高速を3時間ほど、時々どつく怖いトッピー兄ちゃんと一緒に、チブリはとっても大人しく聞き分けよく後部座席に座って移動しました。
今まで大勢のお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に楽しく庭を走り回っていたのに、何故自分1人だけ車に乗せられたのか、思えばこの時チブリはすでに運命を察していたのだと思います。
引越先に夕方着いて、美しい月が昇った夜、私が月を見ながら真夜中の庭を歩くとチョコチョコと足下に纏わり付いて離れなかった。
小屋の中ではくつろいでぐっすり眠り、爽やかな夏空となった次の日、お隣さんご夫婦が見えた時、チブリは最初隠れました。
この時、決定的に理解したのだと思います。
暫くしてお隣の奥さんが呼んだら寄って来て、抱かれました。
そして逃走防止のためキャリーバッグに入れ、私も付き添って先輩お姉ちゃんとの初対面の儀に向かったのです。
お隣のお宅はとても気持ちのいいお部屋で、何とチブリは普通の猫のように警戒してクンクン様子を伺う事も全くなく、すぐにストーブ横にゴロゴロ置いてあるカボチャだか瓜だかの間でゴロンと横になりまったり。
お姉ちゃん猫はとっても美人でおしとやかな長毛さんで、初対面の時、どっちもフーシャー言わず、黙って鼻先をくっつけ、お姉ちゃんはすぐにどっかへ隠れてしまいましたが、フーシャー言わないというのも珍しい。
あー、こりゃもう安心だ、ということで、今月中くらいは外へ出さない方がいいとか、トイレや水についてのお願いをして、暫くして私が帰る時にはもう家の中を我が物顔に探検していたので、声を掛けずに帰りました。
その日の夜様子見に訪ねたら、出迎えてくれたご主人の足下から声を聞きつけたチブリが。
そして私と目が一瞬合ったその瞬間のチブリの表情が今も目に焼き付いています。
猫があんな顔、あんな目をするなんて。
▽目になって、視線をやや反らして、飛びつきたい気持ちを必死で押さえてるという表情。
「ママー」と言って抱きつきたいけど、そんなことしたら後で新しい継母にぶたれるのでは?と躊躇してる?
もう養子に出されたんだから、ママに甘えてはならないんだ、と自分で納得しようとしている?
とにかく、ホントに猫とは思えない複雑な心理を読み取れてしまう何とも言えない表情。
後から思い出して何日も涙涙。
ホントは「チッ、折角清潔で気持ちのいい家に来てよかったと思ったのに、また連れ戻しに来たのかよ~」という気持ちだったりして?
その次の日の夜、チブリのために缶詰を持ってまた会いに入ったら、あいにくお留守、網戸になっていて玄関の私の声が聞こえた瞬間、家の中でゴトッと音がして「ニャーー」とか細い声。
網戸にしがみついて外へ出たがっている様子。
破いては大変なので、心を鬼にしてそのまま呼びかけずに帰りました。涙。
こちらへ帰ってからメールで様子をお聞きすると、「人なつこくてみんなに可愛がられています」とのこと。
ホッとしました。
引越したらまたいつでも会えるんだけど、お隣との間には結構車の多い道路があり、チブリが行き来するようになるとちょっと心配。
チブリ、不思議な可愛い猫。
ゴローちゃんのようなハンサム(イケメンなんて言葉口が裂けても言いたくない感覚)になるでしょう。
チブリをうちに置いていったであろうと思われるご近所の方からも、もらってくれたお隣さんからも、不思議に申し合わせたかのように家庭菜園で取れた小玉スイカを頂きました。
大好物のスイカと大好きなチブリ。
一夏の切ない思い出。